まずは1年間戦い続けてくれてお疲れさまでした。監督、選手、スタッフ、サポーター全員に拍手を送りたいと思います。
1年間戦ってみて皆さんはどう思いましたか?ここからは個人的意見を述べていきたいと思います。
2021年を振り返る
2021年を一言で言うと『苦しい』
2021年はガンバ大阪にとって苦しいシーズンになりました。昨年2位になり、今年は宮本体制3年目(正確には3年半)で恒さんが思い描くサッカーを表現できる年になると誰もが楽しみにしていたシーズンでした。
恒さんは個に依存しない、誰が出てもチームのパフォーマンスが変わらないサッカーだったと思います。
去年川崎との戦いで感じた圧倒的な差を埋めるためにも、より攻撃的に守備時は高い位置でボールを奪い攻撃に繋げる、攻撃では後方のビルドアップから精度の高い攻撃をするかの2点を追い求めた。
ゼロックスの川崎戦の4-3-3(攻撃時:2-3-4-1 守備時:4-5-1)で戦い今年は楽しみなシーズンになるなと予感していました。
ガンバ大阪=攻撃的なサッカーというイメージをより具体的にシステムとして落とし込めるのを楽しみにしていました。。
コロナの怖さ
開幕の神戸戦も負けはしたが内容自体には不満なく、次に切り替えていこうという気持ちでした。
その後コロナでチームは活動停止になった。戦術を積み上げる時間がなくなり、選手・監督共にキャパオーバーしてしまってるようにサポーターから見てても感じた。
特に恒さんはメンタル的にも限界に来ていたと思う。これは自分が管理職(現場監督)を務めるようになってからわかった視点。これ以上現場で指揮をしていても誰も幸せにならない結果になっていたと思うので、ここで監督を交代したのは仕方のない事だと思います。
得点力不足が露呈
今年は得点力不足に悩みました。決定機の演出がそもそも少なかったので、チームとしての攻撃パターンが構築されなかったという表現が正しいかなと思います。
恒さん解任の決定打は得点力不足、松波さんが就任した後も解消されなかった。
宇佐美、パトリックといった個の能力に依存する結果になった。
この2人が居なかったら間違いなく降格していた。中盤で崩すシーンは山本が相手選手を剥がして数的優位になった時しかなかったので、山本の個人能力に頼る形になった。
小野瀬、矢島といったタレントを活かすことができなかった。
来年はチームで連携して得点を取れるチームになってほしいです。
パトリックの個に依存するサッカーだと先は明るくないと思います。
守備は東口頼みに
コロナ明けの数試合は三浦、昌子のDF陣のパフォーマンスが良く、守備は何とかなりそうという算段だったが、チームがバラバラになってからは守備も崩壊。
松波さんが監督になってからは更に悪化。「何回同じことやられるねん」と言いたくなる失点が多発。
3バックの三浦、昌子、ヨングォンは能力高い選手3枚並べました感が否めなくチームとしては機能しなかった。
個々の能力を発揮できる土台にすらならなかった。特にヨングォンはアジアでもトップクラスのDF。彼の対人、スピード、ビルドアップをチームとして活かせなかったのは非常に残念だった。
3年もガンバのサッカーに付き合ってくれてありがとう!一緒にタイトルを獲りたかった。
ボロボロな守備陣でも何とか残留できたのは、東口の存在だった。
東口が居なかったら最下位での降格もあり得たと思う。チームを救うビックセーブを連発。
圧巻のパフォーマンスはアウェー浦和戦。あの試合を負けるのと引き分けだと大きな違いだった。
あの勝ち点1がなかったら3連勝もなかったと思います。
セーブ数も1位と圧巻の活躍だった。セーブ数1位はそれだけシュートを浴びてるということだからチームとしては良くないが、東口個人としては名誉なこと。
新戦力の評価はD+
次に新戦力を見てみると、今季の新加入は【林瑞輝(レンタルバック)、加藤大智(4月加入)、柳澤亘(7月加入)チュセジョン、 ウェリントン・シウバ(3月加入)、レアンドロ・ペレイラ、チアゴ・アウベス、一美和成(レンタルバック※8月徳島へ移籍)山見大登(2022年加入※8月特別指定選手として登録)】でした。
補強の目玉は2年越しのオファーが実り加入したチュセジョン、広島で活躍したレアンドロ・ペレイラ、ブラジル世代別代表のウェリントン・シウバ、横浜FCからレンタルバックした一美和成。
チュセジョンは層の薄いボランチの軸となる選手として活躍が期待されていたが、日本のスピードと強度に適応できずシーズン終盤の序列はボランチ5番手までに下がった。そもそもセジョンが活躍できる土台がなかったと言えばそれまでだが。。
時折見せるロングパス、守備は流石代表と言えるプレーをしているので、来シーズン戦術の土台が揃ったチーム構成で本来のパフォーマンス発揮に期待。
レアンドロ・ペレイラは24試合5ゴールと結果を残せなかった。戦術がない状態ではぺレイラが活躍できる土台にはなかった。チャンスでペレイラにボールが回ってこなかった。1トップで最低限の守備と得点を取ることに専念できれば活躍できる可能性はあるので、新監督に期待。
ウェリントン・シウバはガンバには少ないドリブラータイプで夏場の連勝に大きく貢献。ようやくフィットしてきた所での怪我は痛かった。ボールを保持するサッカーではシウバのようなドリブラーは必須なので、来シーズンはキーマンとなる。
今年の補強で一番の当たりは柳澤亘。7月に加入し、高尾不在で奥野、小野瀬が担っていた右SB、WBの人数不足を解消するだけでなく、チームのストロングポイントに変えた。
初のJ1だったが、堂々したプレーを見せチームの勝利にも貢献。J2水戸でプレーをしていたが、J1クラブのチームのレギュラー獲得というキャリアアップを果たした。
サイドバックとしてのポテンシャルが非常に高く、足元の技術も高いので、来期は高尾とのレギュラー争いが非常に楽しみ。
左サイドもできるので、チームとしては非常に助かる存在の選手。
新監督との相性も良さそうなので、来期は数字を求めていきたい。
各ポジションの振り返り
GK:東口頼みの1年に
今年も東口頼みの1年になった。この男から正GKを奪う=日本代表クラスのポテンシャルが求められる。
去年は攻撃時のパスにも参加する機会が多かったが、監督が変わり成長した足元のスキルを見せる機会が減った。
新監督はGKにも足元の技術を求めるので、成長した東口を存分に見れる1年になりそう。
2番手GKの一森が長期離脱した関係もあり、今年は石川が第2GKとしてチームに帯同。ACL、天皇杯では及第点の活躍を見せたが、足元の技術は東口、一森には劣る。
新監督の好みに一森は合うので、来期は第2GKとしてカップ戦などで東口とは違うGKの色を出してほしい。
DF:怪我人が多発というアクシデント
組織として崩壊していたので評価は難しい所だが、夏場以降は怪我人に悩まされた。
CBは三浦、昌子、ヨングォンが同時に怪我で離脱という非常事態になった。
個の能力が高い3人で守り切るという算段だったので、非常に痛かったが、木山コーチの入閣と共に守備の組織は最悪の状況を脱した。
特に菅沼は終盤戦は安定したパフォーマンスを発揮し、残留に貢献。
毎年チームが困った時に安定したパフォーマンスを発揮するベテランは頼もしい。
今年はJ1でキャリアハイとなる出場時間となった。終盤だけを見れば三浦、昌子より頼もしかった。
大卒ルーキーの佐藤も浦和戦以降は高いパフォーマンスを発揮。
素質の高さを見せた。空中戦の強さは佐藤の売りでもあるので、来期の活躍に期待ができる。
右SBは高尾、福田のコンディション不良により、序盤は小野瀬、奥野といった本職じゃない選手が務めることが多くウィークポイントだったが、夏場に柳澤が加入し高尾復帰後は比較的層が厚いポジションになった。来シーズンも柳澤と高尾のレギュラー争いが繰り広げられるであろう。
左SBは藤春、福田のコンディション不良もあり、夏場までは黒川が務めることが多かった。藤春が戦線復帰後は藤春が固定となった。
守備の安定感、足元の技術向上と毎年成長する藤春は改めて凄いなと思った。
戦術の変化に対応できるのは藤春の長所だと思う。
黒川は連戦で体力が落ちている時に使われることが多かったので、フレッシュな状態ではアウェー福岡戦、天皇杯の湘南戦のような活躍をしてくれるので、藤春とのレギュラー争いに注目。
MF:ボランチが固定できず
今年の低迷の原因としてボランチが固定できなかったのが大きな要因。
シーズン序盤は井手口、セジョン、矢島、夏場は奥野、山本、倉田、セジョン、終盤戦は山本、井手口、奥野が主に使われた。
昨シーズンは井手口のハイパフォーマンス、山本の台頭でボランチ固定できたが、今年はコロナ、戦術がない、連戦の影響もありコンディションが安定しなかった。
終盤になり山本と井手口で固定化。山本はアシスト、井手口は守備でチームに貢献もこれが本来求めていた最低限の姿なので決して褒められるパフォーマンスではなかった。
その中で出場時間を伸ばしボランチ3番手までに序列を上げた奥野耕平。
戦術理解度が高く、ポジショニングが良い選手。個の能力では井手口、山本には劣るがバランサーとしては奥野の方が上。奥野のバランサー能力が存分に発揮できる土台になればチームとして楽しいサッカーが見られる。
サイドアタッカーは得点力不足が露呈した。小野瀬0ゴール、倉田1ゴールは不甲斐ない結果。
戦術がない状態の煽りを受けた選手でもあるので、仕方ないと言えばそれまでだが。。
守備なで見えない部分での貢献は大きかった。
ウェリントン・シウバは夏場はシャドーとして活躍、怪我が痛かった。個で勝負できる数少ないプレイヤーなので、来期に期待。
終盤戦になり福田が左サイドハーフのレギュラーを獲得。ガッツのあるプレー、勇気を持って仕掛ける姿はチーム、サポーターの活力になっている。
チームをポジティブに変えれる貴重な選手なので、来期はフル稼働してほしい所。
夏場の連勝に貢献。戦術がない状況で孤軍奮闘した姿はサポーターとして忘れない。
来シーズンはちゃんとした戦術の土台がある状況でのプレーを見たい。
ボランチとしてレギュラー獲得に期待をしている。
FW:脱戦術パトリック
今年も戦術パトリックで勝ち点を積み上げることに。
悪いとは言えないが、パトリックの力だけだと、チームの戦術をしての上積みはできず、チーム力向上にはならない。
今年はイレギュラーなシーズンになったのと、勝つことに対して手段を選べる状態ではなかったので、仕方なかったが来期は同じことは起きないようにしてほしい。
FWはパトリック、宇佐美の個人能力に依存する結果になったので、来期は一から積み上げる形になる。
ただ、宇佐美は昨シーズンより今シーズンの方がパフォーマンスとプレーの質は今年の方が高かったので、新監督の戦術にフィットできれば爆発の予感を感じる。
来季に向けて
新監督は大分の片野坂監督の就任が濃厚。今シーズンよりかは、戦術が整備されるので楽しみではあるがいきなり良化する程甘くない。
特に片野坂監督は緻密なサッカーをするので、戦術についていけない選手が出てくると思うので来シーズンも我慢のシーズンになる。
ヨングォンの穴埋め
3年間ガンバのCBを務めたキムヨングォンが契約満了で退団。
貴重な左利きのCBなので、穴埋めが必要。現状では鳥栖のエドゥアルドを獲得濃厚とのことなので、穴埋めはできそうだが、もう1枚左利きのCBとSBできる選手を狙いたい。
大分の三竿雄斗も狙っているので、片野坂監督の戦術を知っている選手を取れると戦術に幅を持たすことができる。
ボランチの固定化
今年はボランチが固定できなかった+井手口の移籍でボランチが手薄になる。
来年は山本、奥野、セジョン、矢島、倉田でボランチを争う形になるので補強は必須。
緻密なサッカーをする片野坂監督に合う戦術理解度の高い選手を獲得したい。
狙っていた樋口は鹿島への移籍が濃厚なので、別プランを用意したい。
大分で今年レギュラーを張った下田北斗、CBだがボランチもできる札幌の田中駿汰、ガンバに居て今年J2で活躍した新潟の高宇洋、町田の高江麗央辺りを狙いたい。
2022年の目標
中身のないサッカーを1年通して続けた結果残留争いに。
来年は同じようなことがないようにしたい。残留争いをせずに中身のないサッカーをすることだけはないようにしてほしい。
2022年の目標
一桁順位
34試合16勝7分11敗(勝点55),50得点40失点
上記の目標が達成できるように来シーズンはしっかりとした補強、戦術の整備をしてくれればと思います。