ガンバ大阪は天皇杯準々決勝でサンフレッチェ広島に2-1で勝利し、ベスト4進出を果たしました。これにより、いよいよタイトルを狙える位置に来たことは、サポーターにとっても大きな喜びです。通常の天皇杯レギュレーションでは9年ぶりのベスト4進出となり、かつて「天皇杯といえばガンバ」と言われた時代を知る者としては、感慨深い瞬間です。
美藤倫の成長
この試合で最も注目を集めたのは、大卒1年目の美藤倫がスタメンに抜擢されたことです。公式戦でのスタメンは、4月のルヴァン杯琉球戦以来となります。
その背景には、ネタラヴィの不在と美藤の練習でのパフォーマンスの評価がありました。ルヴァン杯でスタメンを務めた美藤は期待されながらもアピールできず、途中交代となりました。しかし、その後もチーム状況によりボランチ不足が続く中、再びベンチ入りし、リーグ戦でのデビューのチャンスを掴みました。
屈辱のリーグデビュー戦
そのリーグ戦デビューとなった福岡戦では、前回の消極的なプレーを反省し、アグレッシブに臨む姿勢を見せました。しかし、過度のアグレッシブさが裏目に出てしまい、出場8分で退場という屈辱のデビュー戦となってしまいました。この一連の流れは、新入社員がミスを取り返そうと必死になる姿と重なり、多くのサポーターが美藤に自分自身を重ねたのではないでしょうか。
その後、ネタラヴィが復帰し、美藤の出場機会は減少しましたが、彼は地道に技術とフィジカルを鍛え続けました。練習では、遠藤保仁コーチとの居残り練習や、フィールドプレイヤー最年長の倉田秋による若手に対する筋トレ指導(倉田塾)を受けています。このトレーニングは非常にハードで、他の若手選手が続けられないほどの厳しさですが、倉田曰く、美藤だけが唯一それを継続できているそうです。
努力が実を結ぶ瞬間
天皇杯準々決勝でのスタメン出場は、こうした努力が実を結んだ結果です。試合に出られない時期もコツコツと練習を積み重ね、技術とフィジカルを向上させてきた美藤は、この試合でのパフォーマンスを通じて、その成長を見せました。彼が屈辱のデビュー戦から這い上がり、今後さらにガンバ大阪の戦力として活躍していく姿を、サポは楽しみにしていることでしょう。