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ガンバ大阪 希望が見えた夏の戦い

G大阪2-0広島

 

5月の柏戦以来の勝利。

1か月以上リーグ戦の勝利なしは長かった。

 

写真:ガンバ大阪

小野瀬・黒川の復帰

 

前節札幌戦を欠場した小野瀬、リーグ再開後は怪我のため出番がなかった黒川。

この2人がスタメンに復帰したのが非常に大きかった。

攻撃の中心で起点にもなれる小野瀬の欠場は札幌戦での攻撃での停滞の原因にもなった。

黒川は今シーズン左サイドバック・ウイングのレギュラーを獲得し、左サイドで欠かせない選手になってきた。

黒川の良さは自陣からボールを繋げれる技術の高さ、単独で突破して相手守備陣を剥がすことをできること。

この2人の復帰が広島戦においてはかなり大きかった。

サイド(ワイド)で起点を取ることができるのはボールを保持する際に有利になるので、改めて小野瀬・黒川の存在の偉大さを実感した。

 

福岡の前への意識

3月の磐田戦以来のスタメンとなった福岡将太。

福岡の良さは縦への意識の高さ、ドリブルでDFラインから持ち上がれる推進力の高さ。

CB、SBができる器用さと左右両足蹴れるのも福岡の魅力でもある。

どのポジションを任せることをできるのは監督としてもとても助かる存在。

今年はDFラインでのスーパーサブ的な立ち位置で期待していたものの、怪我などもあり出場機会に恵まれなかった。

そんな中で迎えた広島戦は、3CBの右のポジションでスタメン。

攻撃時の前への意識と積極的にボールを前へ運び攻撃を活性化しチームに勢いをもたらした。

前へ前へ行くメンタリティーの強さはかつてガンバに所属していた中澤聡太を彷彿とする姿だった。

ガンバが強い時は、中澤聡太丹羽大輝のようなプレーで積極性を発揮し、ムードメーカーとしてもチームを引っ張る選手が居たので、福岡にはこのような部分での活躍にもう期待したい。

坂本J1初ゴール

4月のFC東京戦以来のスタメンとなった坂本一彩。

4月は中村仁郎よりも序列が上でFWとしてもペレイラを差し置いてルヴァン杯スタメン、途中出場するなどプロ1年目にしては幸先の良いスタートを切ったが消極的なプレーやどちらかというと覇気のないプレーが目立ち、センスはあるけどJ1の舞台だと厳しいのかなと正直思った。

 

FC東京戦で消極的なプレーが目立ち前半で交代。片野坂監督からもインタビューを通じて批判(あえて突き放すというマネージメント)を受けた後は、序列を落としてしまいユースの南野遥海より序列が下になった。

主力選手がコロナになった柏戦、C大阪戦はユースの南野がベンチ入りし、1学年上でプロの坂本がベンチ外という屈辱も味わった。

その後のルヴァン杯でも南野スタメン、坂本ベンチや天皇杯でも南野の方が出場時間が長いという状況でプロ1年目にして正念場を迎える形になった。

 

そういった状況下で迎えた広島戦で久しぶりのスタメン。

以前と変わった姿を坂本はピッチで表現した。顔つきがゴールハンターの自信に満ち溢れた表情になっていたのが印象的だった。

プレー面でも守備時のプレス、攻撃時は最前線に張り攻撃の潤滑油になるなどパトリックやペレイラにない坂本の技術の高さを活かしたプレーでチームに貢献。

一番はゴールという数字で見える結果を残したことが最大の貢献。

坂本の師匠でもある大黒将司を彷彿とさせるゴールだったのが、サポーターとしても嬉しさが倍増した。

パトリック1択しかないFWの状況を解決する1発回答はお見事だった。

恐らく、片野坂監督は坂本を敢えて突き放して中途半端にベンチ入りとかさすのではなくユースの南野と競わして坂本の悔しい気持ちをエネルギーに変えるというマネージメントをしたのかなと想像する。

 

坂本が広島戦のようなパフォーマンスを発揮することで、パトリックをスーパーサブとして使えるようになるのは非常に大きいし、ユースの南野の刺激にもなると思うのでこの1ゴールの価値は非常に高い。

そして同期の中村仁郎への刺激にもなるので、今後の若手の争いと坂本の覚醒に期待したい。

最後に

4連敗で一番頭を悩ませたのは片野坂監督。ここ数年放置されていた攻撃や守備の連動性や切り替えなど現代サッカーから取り残されていたガンバの課題をこの半年間一気に解消しようとし、そこで戦えない選手と着いていけない選手を炙り出すという一番しんどいことを担ってくれている。

 

この半年間で選手の見極めが終わりこれからより片野坂監督の色が出ると思う。

現代のサッカーはフォーメーションは試合の中で目まぐるしく変わるのがスタンダードになっている。

片野坂監督含むコーチングスタッフは現代サッカーにスタンダードをガンバに持ち込もうとしているのはこの半年間でわかった。

3-4-2-1と4-4-2を状況次第で臨機応変に対応できる選手や戦術理解度がある選手が今後ガンバでは重宝されるのは間違いない。

1つのポジションに特化したスペシャルな選手よりも、状況の応じて様々なポジションができる選手が今後のガンバにとっては必要な戦力。

川崎戦以降止まっていた時間が再び動きだしたそんな予感をかんじさせる今節の広島戦だった。

 

次節は浦和戦。中2日なのでターンオーバーは必須で今回ベンチだった選手、メンバー外だった選手の奮闘に期待したい。