涙の大逆転勝利
昨日は勝点28の17位で7試合勝利の無い湘南ベルマーレと勝点25の19位で2連勝中の横浜FCの試合は2-1で湘南ベルマーレが見事な大逆転勝利を見せてくれました。
スタメンはDFに右から石原広教、大岩一貴、山本脩斗の3バック。山本脩斗が鹿島アントラーズ戦以外では初出場となる今季3試合目でした。前線は前節でゴールを決めた町野修斗ではなく、ウェリントンとタリクの組み合わせでした。
試合内容
前半戦
ボールを持つ時間は長かったのですが大きなチャンスはなく、横浜FCも残留争いがかかっているのでお互い緊張した試合展開になりました。
久々の試合だった山本脩斗もしっかり守備はできていたし攻撃参加も何回か見れコンディションが良かったと思われます。
右の石原広教も昨日はいつも以上に前線へと駆け上がり何度も攻撃参加したり高い位置での守備もしていました。
なかでも大岩一貴は山本脩斗や石原広教の上がったスペースをしっかりカバーリングできており相手に大きなチャンスは与えない仕事をしてくれました。
攻撃陣をみると、空中戦に持ち込むためウェリントンにターゲットを定めたいが横浜FCもそこはマークをしておりウェリントンは思うような仕事をさせてもらえてませんでした。
今日は岡本拓也からの攻撃が多く右サイドからの攻撃ができていたのですが、シュートまで繋がらずという場面が多く次への課題の一つとも言えます。
トップ下の平岡大陽は縦横無尽に走り続けるもチャンスを作ることができずもう一歩というところでしたが試合に出れば何かしてくれる期待を持たせてくれます。
少し残念だったのは茨田陽生とタリクは消えている時間が今日は多かったような気もしました。
後半戦
後半戦も同じメンバーでのスタート。左の山本脩斗、畑大雅、右の石原広教、岡本拓也のサイド攻撃を基本として相手陣地に入り込むもなかなかゴールを割れませんでした。
再三のサイド攻撃により運動量が増えた山本脩斗の守備の場面で少しよろけてバランスの崩れた瞬間があったのが気になりましたが後半もしっかり大岩一貴のフォローもあり守れていたと思います。
しかし後半18分右サイドの石原広教が高い位置で前線へボールを展開しようとするも横浜FCの松尾佑介がカット、そこから得意のスピードにのったドリブルで一気に駆け上がり、必死に食らいつこうとする石原広教のマークも逃げ切りそのままGK谷晃生と1対1の場面でしっかりゴール右隅に決められてしまいました。冷静にゴールを決めた松尾佑介もさすがでした。
あの場面の石原広教は中途半端な判断をしてしまいボールに迷いが出た結果カットされてしまいました。この負けられない大事な1戦で先制点は命取りになる。それを本人はもちろんわかっていたとは思いますがしてはいけないプレーとなってしまいました。
失点後ベルマーレも茨田陽生に替えて大橋祐紀を投入し攻撃にアクセントを加えました。さらに後半31分にはタリク、畑大雅に替えて山田直輝、高橋諒を投入。点を取るしかない状況でフレッシュな選手を投入し何とか得点しようとチーム一丸で攻めに入ります。
そして後半33分右サイドで山田直輝と田中聡がワンツーで相手を崩し山田直輝が自分のスペースを作った上で中央へクロス。ウェリントンをターゲットに狙うも、思ったよりボールは上がらずにウェリントンの胸元へ。ウェリントンにはしっかりマークが付いており当然クリアされる場面でしたが、横浜FCのDF高橋秀人がまさかのヘディングの空振りによるクリアミス。これによりウェリントンは胸元に来たボールをそのまま胸でゴール前へ落とし、そこに待っていた大橋祐紀がGKの動きを冷静に判断しループ気味のシュートでゴールを決めました。高橋秀人のクリアミスがなければ…と考えるとマイナスになってしまいますが、ここはなんとか同点に追いついて嬉しかったです。
しかしまだ同点。この試合は『勝つか、負けるか』ではなく『勝つか、勝つか』しかなかったのでもう全員で1点取りにいきました。
後半39分にはウェリントン、石原広教に替えて最近好調の町野修斗、舘幸希を投入しさらに攻撃を活性化。入ってすぐの後半40分にはスローインを受けた町野修斗がゴール前へ縦パス、そこに反応した大橋祐紀がスライディングでボレーシュートを狙うも惜しくもGKに阻止されますが、逆転を諦めないチームの姿勢が見て取れました。
そして後半43分右コーナーから岡本拓也がクロスをあげると、マークを外した町野修斗がヘディングシュート、しかし勢いあまって地面に打ちつける形に。ところが運良くボールはバウンドしてゴール前にいた山田直輝の元へ飛び、そのバウンドに合わせて山田直輝はゴールを背にして後ろ向きでヘディングシュート。これでボールの軌道が変わり飛び込んだGKの逆をつく形で執念の逆転ゴール。山田直輝をはじめ全員で掴んだ大逆転ゴールでした。
後半アディッショナルタイムは7分と長い時間でしたが全員で守りきり見事勝利を収めました。
勝利の瞬間選手たちには笑顔と涙がありました。なかでも山田直輝は前日に祖母がなくなり何としてでも勝利を届けたかったという気持ちが逆転ゴールという最高の形で届けることができたと思います。
また石原広教は試合終了のホイッスルと同時にベンチで泣き崩れ立ち上がることはできませんでした。この涙がどういう涙かは本人にしかわかりませんが見ていて心にくるものがありました。
本当にチーム全員、サポーター全員で掴み取った最高の勝利でした。
しかしまだ残り5試合あります。残留争いをしている仙台、徳島との試合も残しているだけにまだまだ気が抜けません。
1試合1試合目の前の戦いを確実にこなし勝利へと向かっていってほしいです。
ハイ